月刊特集記事
過去の記事

 ●カナダ訪問記

掲載日:2008/1/07

カナダ写真紀行
辰巳吉秀

 トルコやサイパンの後、今回の旅は11月7日から12日の6日間のカナダです。秋のカナダは黄色のコウヨウ(黄葉)が美しいと言う話は以前から聞いていました。10月には終わっているようなインターネットや旅行業者の情報でしたので、少し諦めての出発でした。ロッキー山脈の岩山の風景はこんもう一つの期待でした。日本で見られない風景を楽しみに・・・。
 今回は写真とこの地域でのマリリン・モンロー主演映画を中心にして堅い話なしに書きます。

成田ートロント機内

アリューシャン南岸をアラスカに

 トロントに到着後バスでナイアガラ・フォール・シティに向かう。成田を夕方出発して12時間のフライトで当日の夜8時に到着。ホテルは広い部屋だが窓が開かないし、換気扇もほとんど動いていない。仕方が無いのでホテルの玄関に焼酎の水割りを作り持参して、ガードマンよろしく立ち飲みしながら灰皿を確保する。気温は5度ぐらいだがほてった肌に気持ちがいい。すると、同じツアーメンバーの男性がタバコを吸いに現れ、しばし四方山話をする。この方とはこの夜3回も玄関で顔をあわせることになる。ホテルの脇にカジノのネオンが光り24時間営業と言う。ただいま9時で小腹もすいたので、食料やつまみをさがしにカジノまで5分ほど歩く。噴水がありイルミネーションも美しいロビーを、店を探して歩くが見つからない。あきらめてまたホテルの玄関でタバコを吸いながら持参のつまみで焼酎を飲む。
広い部屋で一人すぐ近くのカジノカジノへの道


アメリカン・ブレックファースト
 2日目の朝を迎え、いよいよ楽しいツアーの開始。まずは朝食会場に向かいアメリカン・ブレックファースト。店内にはハリウッド全盛期の映画のポスターや俳優の写真が所せましと飾られていていい雰囲気である。ツアーメンバーはしいことに男の1人参加と女の1人参加がいました。バラ3人以外は今回も中年以上の夫婦と女同士である。

 今日はナイアガラの滝や町の見物である。9時出発ということで8時30分にはロビーで待機。迎えのバスに乗り憧れの世界三大瀑布のナイアガラ滝へ向かう。テーブルロックからの滝の側面と裏側の観光である。入口で黄色いレインコートをもらいエレベーターで地下に降りトンネル歩きながら着用する。有名な「虹の乙女号」は先月で終了とのことでした。滝から上がる水しぶきは雨なのか霧なのかわからないくらいに凄まじい。
滝へのエレベーター乗り場滝の飛沫で大変カナダ滝の下から

 地上に戻りテーブルロックから滝を見る。街中で下に向かって落ちる滝はイグアス、ビクトリア、ギアナ高地等と趣がまったく異なる。豊富な水量に圧倒されると共にビル街の中の滝と言う奇妙さにあきれる。地割れした段差に出来た滝で、初めの位置から数十キロも後退してきたという。
テーブルロックからの滝滝を背にするとビル街が見える遠くに水量調整の水門


 モンロー映画の「ナイアガラ」の粗筋(懐かしの映画館 近松座HPより)『ナイアガラの滝。エリー湖から流れたナイアガラ河がオンタリオ湖に注ぐ、全長1キロメートル、高さ50メートルの世界一の巨大な滝。
 ナイアガラを見渡せる場所にあるレインボーキャビン。
 保養に来ているジョージ・ルーミス(ジョゼフ・コットン)と妻ローズ(マリリン・モンロー)だが、二人は何故か反目しあっている。そこへ、新婚旅行にやって来た、レイ・カトラー(ケーシー・アダムス)と妻ポリー(ジーン・ピータース)。
 ナイアガラ瀑布の遊覧船『霧の乙女号』に乗るレイとポリー。雨合羽に身を包むが滝の下は暴風雨のようだ。滝下のトンネルツアーに参加する二人。レイのカメラで写真を撮ってもらおうとしたポリーが、滝の下の岩陰で抱き合う男女を見た。なんと、女はローズだった。ローズが夫以外の男と密会していたのだ。
夜、若者たちのダンスパーティがあった。ローズが一枚のレコードを持ってきてプレーヤーにかける。ブルースの曲だ。レイ・カトラー夫妻のそばに来てローズが歌い始める。
 「♪ これぞ、スリルのひと時、快感に震えて、しっかり抱いて、私を最高に・・・♪」
 夜8時半、ナイアガラの滝がライトアップされた。
 ジョージが行方不明になり、河岸から男の死体が発見された。遺体安置所へ呼ばれたローズは遺体の顔を見て失神した。
 ジョージはローズの首を締めつづけた。翌日、ローズの死体が発見され、警察が動き始めた。
河岸へ釣りに来ていたレイとポリー。ボートで逃げようとしたジョージは、その時乗り込んできたポリーを乗せたままボートを発進させた。「自首しなさい」ポリーはジョージに言った。「もう、手遅れだ、ローズを殺した」 警察の船が追ってきた。
エンジンの調子がおかしい。燃料が無い。ボートは動きが取れないまま漂流し、本流に入る。急流だ。そのまま行くとナイアガラの滝だった。
 水しぶきと戦いながらボートの底を破り沈めようとするジョージ。だが、速い流れには逆らえない。滝の手前に大きな岩が見えてきた。ジョージはポリーをその岩に移らせた。
そして、ジョージを乗せたボートはナイアガラの滝壷に飲まれていった。
大岩の上で助けを求めるポリーに警察のヘリがロープを垂らした。
巨大なナイアガラは何も無かったかのように、相変わらず落ち続けていた。』


 ナイアガラ滝の近くのアミューズメント地帯は、お化け屋敷や色々なアトラクションの建物が軒を連ねている。個々が別々に経営されているようで、おもちゃ箱をひっくり返したような華やかさで飾り立てられている。
体感映画館とフランケンの館迷路やお化け屋敷


ゴンドラで渦巻き渓谷の観光
次は渦巻き渓谷に向かう。ここはナイアガラ河がオンタリオ湖に流れる途中「く」の字に曲がり、大きな淵を作りゴンドラで上から見物できるようになっている。

 紅葉が盛りの渦巻き渓谷からナイアガラ河沿いにオンタリオ湖(四国の大きさ)の湖畔にあるナイアガラ・オン・ザ・レイク町に向かう。途中にアメリカやカナダの水力発電所や国境の橋を見ながら、アイスワインのシャトーに立ち寄る。今回の土産は世界で三ヶ所でしか作れない貴重なアイスワインに決めていた。厳冬の真夜中零下8度以下のなかで、糖度が非常に高まっているぶどうをいためないように素手で収穫し、絞っていく作業すべてが、零下8度以下でおこなうという。試飲ももどかしく2本購入するが小瓶で1本5000円もした。日本のレストランでは小さなグラスで一杯4000円ぐらいとのに話に驚く。試飲すると濃厚な甘みの中にこくがあり、食後のワインに最適とのことでした。
ワイナリーブドウの木慎重にアイスワインをそそぐ

 昼食はナイアガラ滝が見下ろせるビルの10階のレストラン。カナダビールは美味しく、料理も美味しいものでした。
レストラン入口眼下のカナダ滝を見ながらまとめて2杯注文

 次はオンタリオ湖の近くに開けた町ナイアガラ・オン・ザ・レイクの町の散策。
 シャトーから20分ほどで町外れの駐車場に着く。イギリスのビクトリア朝風の建物が多い静かな町並みである。住宅は芝生に囲まれ広々している値段は1億から2億円という。定年後の静かな余生にぴったりの住宅街である。商店はシックなデザインである。ここの紅葉は見事で、紅葉・黄葉・黒葉と色とりどりであるが、黄葉の楓が多くもみじは少ない。
駐車場の黄葉広々とした邸宅シックな商店が沢山
バーナード・ショウの銅像町中の観光馬車イギリス時代からの伝統ホテル


 素晴らしい町並みを後に、ナイアガラ・フォール・シティに戻ることになる。
 今夜の楽しみは、OPの「ナイアガラ滝のライトアップとディナー」です。18時15分にロビー集合で結構な人数が集まる。まずは滝の見えるレストランでディナー。窓外眼下のカナダ滝やアメリカ滝がライトアップされ、昼間とは違う幻想的な感じである。
水しぶきが照明に映える照明に浮かぶナイアガラサーモンがメインディッシュ

 食事が終われば、照明操作の管理小屋に移動する。さびしい暗がりの鉄の扉を開けるとすごい数の張り紙が壁に貼ってある。ガイドの案内で操作盤の説明を受けて、マイカラーにアメリカとカナダ滝を染める。別の国のものまで投光して着色するおおらかさに脱帽である。管理人のおじいちゃんのキャラにも感動でした。1台9キロワットの巨大サーチライトが屋外に沢山並び、それぞれにフイルム式のカラーチェンジャーがついている。それを我々が操作するわけで、装置は古くマニュアル操作がアンティークで楽しい。
9kwのライト色の操作盤管理人(中)ガイド(右)
朝食のボックス(茶色はりんご)
 明日はいよいよロッキー山脈に国内線で移動である。出発は阪急旅行社ではありえないHIS得意の早朝6時出発。ホテルの部屋の時計は先月までのサマータイムのままで1時間ずれているが、関係なしに4時50分のモーニングコールで起こされる。バスで配られた朝食のボックス弁当はすさまじくプアーで、食事に対する外国人との感性の違いにがっかりする。ナイアガラからバスで2時間かけてトロント空港へ移動する。

 エアーカナダ国内線は4時間ちょっとのフライトでカルガリー空港に到着。冬季オリンピックが行われたアルバーター州の地方都市である。バスでロッキー山中のバンフに2時間かけて移動する。ナイアガラとは2時間の時差があるので時計を2時間戻す。するとフライト時間が見かけでは2時間になってしまう不思議・・・。体がなれない年寄りは早朝出発や時差で体調維持に大変なようです。
 カルガリー大平原では天然ガスや石油が取れ、豊かな財政の州である。アルバーター州は州税が無料でナイアガラのオンタリオ州とはえらい違いである。州ごとに税金や法律が違い面食らうことがある。一例を挙げると州税金以外では、車のナンバープレートがアルバーター州では後ろだけにつければ良く、なんか車を見ていると不思議な感じがする。ホテルに着いたら窓が開くのでほっとしてベランダで一服する。
いよいよロッキー憧れの岩山前のナンバープレートが無い

怪しいダイナマイト・ロール
 バンクーバー空港で夕食用に巻きすし(名前がダイナマイト・ロール)を購入。日本は物価が高いと言うが日本で300円ほどのものが600円ぐらいする。ホテル向かいのガソリンスタンドで買ったサンドイッチも250円ぐらいのものが500円もしてぱさぱさでまずい。美味しいのはカナディアン・ウイスキーです。このホテルで珍道中やハプニングがいくつかありましたが、与えられたページ数が少ないので割愛します。 m(__)m

 明日はロッキー山脈に入り世界最初の国立公園三つのうちのバンフ国立公園観光です。おやすみなさい
 9時15分の出発で、バンフ国立公園を北上して湖や山々の自然を楽しむ。公園の自然保護の為に沢山の規則や動物・植物保護対策がなされているが詳細は省略します。写真だけ沢山掲載いたします。
雲の中からかすかに太陽レイクルイーズは雪の中ボウ峠はスリップ続出

 昼食はバンフの日本料理店の松花堂弁当を食べて、バンフの郊外にあるサルファー山からのバンフの町の展望を楽しむ。4人乗りのゴンドラが連なり急角度で山頂へむかう。2285mの山頂はつかの間の晴れ間でバンフや周りの山々を良く見せてくれました。我々が見た後は、1時間ぐらい雪の雲で視界ゼロとなりラッキーでした。
和風レストラン4人乗りゴンドラの中バンフの町

 モンローの「帰らざる河」の粗筋(懐かしの映画館 近松座HPより抜粋)
 「舞台はゴールドラッシュのアメリカ北西部。出所したばかりのマット・カドラー(ロバート・ミッチャム)は息子とともにロッキーの大自然の中で新しい生活を始める。 火急の用がありカウンシル・シティ?を目指して筏で川を下るギャンブラーのハリーと酒場の歌姫ケイ(マリリン・モンロー)。途中、激流にのまれ危険な状態になりマットに助けられる。 先を急ぐハリーはマットから銃と馬を奪って立ち去ってしまう。負傷したマットを手当するために残ったケイとカドラー親子との3人は、インディアンの襲撃から逃れるためにやむなく筏をこぎ出し、カウンシル・シティ?を目指す。激流の難所が続くその川は「帰らざる河」と呼ばれていた。


[バンフ国立公園]と[ジャスパー国立公園]で撮影されており、ジャスパー近辺のシーンが多いようだ。

ジャスパーの町には今でも撮影時に撮られたマリリン・モンローの生写真が店に飾ってあるのをみかける。登場する川はアサバスカ川とボウ河流域。クライマックスの激流はバンフ・スプリングス・ホテルのすぐ近くにあるボウ滝。ボウ滝は滝と言っても2m程の落差なので急流のように見えるしバンフの町から近いので撮影に好都合だったのだろう。』

 ナイアガラの撮影の時のエピソードを一つ。映画の大半はジャスパーで撮影されたが、ボウ滝のシーンはバンフで撮影した。その時のホテルがフェアモント・バンフ・スプリングスである。格式と伝統を誇るホテルの支配人は、ディナーに肌の露出し過ぎたドレスで現れたモンローに再三注意をする。しかし「私はモンローよ」と言って取り合わない。そこで「ジャスパーのフェアモントではOKでも、ここにはここのマナーがあると」モンローを追い出したとのことです。
格式あるフェアモント・バンフ・スプリングス・ホテルボウ滝

 山頂からの展望はナイフエッジの様な鋭い岩山が雪を頂き、これぞまさにロッキー山脈と感激しました。高さは2千mほどでそれほど高くないが、出来たのがヒマラヤ山脈よりもはるかに古いので、氷河や風雨による侵食で低くなっているとのことでした。
 次は、モンローの「帰らざる河」で有名なボウ滝に向かう。野生の鹿のお出迎えのなか、ボウ河の岸辺では、結婚の記念写真を写している。皆で取囲み撮影大会となる。寒いのに軽装で笑顔を振りまいていた。仲間の夫婦たちのポーズもほのぼのとしたものでした。
ボウ河での結婚式の記念撮影新郎達のリムジン 野生の鹿が道路に

 バスはバンフの街中の土産物屋で解散となり、街中を観光しながら撮影と夕食のマックを購入する。商店、モーテルが区画分けされてきれいに並んでいる。住宅街は住宅で計画的に纏められ整然とした町並みになっている。いよいよ最後の夜で、明日はバンフからカルガリーまでバス。カルガリーからバンクーバーに飛行機で移動して、国際線に乗り継ぎ成田に帰ります。モーニングコールはHIS得意の4時30分です。次回の旅行の国を考えながら、帰国の途に着きました。 「ありがとうカナダ」
マックのMに国旗カルガリーの夜明け我々の荷物の積み込みに悩む
カルガリー中心部ロッキー山脈思いやり最高の客室乗務員

▲ページの先頭へ

サイトのご利用について